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企業がEC運用担当の採用に失敗する理由と解決方法

2022.09.30 ECサイト運用内製化

こんにちは、Web担育成アカデミーGrowb講師の門田です。
普段は中小企業を中心にECサイトのコンサルティングやSEO対策のサポートを行っており、Growbでは主に『EC運営者育成講座』を担当しています。もともとはECサイト運営・店長を経てコンサルタントになった現場型マーケターです。

突然ですが、『ECサイトの運営担当の採用が失敗続きで苦労している』『EC事業をしたいけど任せられる人がいない』こんなお悩みをもつ経営者さまは多いのではないでしょうか。今は売り手市場ですから、みなさま採用には苦労されているかと思いますが、得にEC業界ではお悩みの声を伺うことが多く、採用を失敗されている企業をよく見ます。

なぜEC運営担当の確保が難しいのか、
結論から申しますと、採用活動や現状の社員からすぐにEC運営を任せられる人材の確保はほぼ不可能といっても過言ではありません。

今回は企業が運営担当の確保が難しい理由を、店長として運営現場を中から見てきた経験とECコンサルタントとして外から見てきた私の経験と実際の事例をもとにお話しします。

失敗例①パソコンやインターネットに詳しいから任命!

最も多い失敗がこのパターンです。おそらく今この瞬間も日本のどこかの企業で発生していることでしょう。
「パソコンに詳しい、インターネットに詳しい」=「EC運営ができる」ではございません。

とにかくパソコンが触れるからとやみくもに無駄なページを作成したりバナーを作ったりと、作ることばかりに目を向けてしまい、肝心の販促行動ができていないパターンです。
特に真面目で仕事を一生懸命にする人ほど、熱心に制作業務を取り組み疲弊してしまい、任命者も「社員は一生懸命やってくれたけど売れないからしょうがない」という結論でEC事業を撤退するという両者にとっても悲しい結果になってしまいます。このような悲劇は珍しくありません。

私がコンサルとしてサポートしている楽天サイトさんも、初めにお話を伺った際は、担当者の方がパソコンに詳しく必死で自己学習をし、サイトが作れるようになられており毎日様々なページやバナーを作られていましたが、肝心の集客の方法や販売方法などの販促活動を一切行われていなかったため、1年間必死に運営してきたのに一度も注文が入らないという結果に。ご相談いただいた経営者様もやはり「これだけやって売れないなら商品が悪いか。。」という結論を出そうとされていました。

改めて言いますが、「パソコンに詳しい、インターネットに詳しい」=「EC運営ができる」ではございません。
EC運営においてはパソコンのスキルよりも、「物を売ることができる」販売能力のほうが大切です。

失敗例②営業担当が兼任でリソース不足・・

では商品の販売力や販促力がある営業担当がEC担当になった場合はいかがでしょうか。こちらも上手くいかない場合がほとんどです。

その理由はずばり兼任によるリソース不足に陥るからです。普段、営業先を飛び回り忙しくしている営業担当の方にECサイトの運営をするためのリソースはありません。
とくにECサイトの運営をした事が無い場合ですとどのような業務が必要か分からないため甘く見積ってしまいます。

まだまだ、サイト上に商品を並べておいて、注文が入ったら出荷作業をすればいいだけ、とEC業務を安直にお考えの方は多いです。
運営現場出身の私から言わせてください、EC運営はやることだらけ、「専任での運営じゃないと100%失敗」します。

失敗例③高額オファーで即戦力の採用!・・のはずが・・

最後は社内でできる人がいないから新しく採用しようというパターン。実は以外と落とし穴になるケースです。

出来ない事を出来る人に任せる、この考え方自体は正しいです。
しかし、ECサイトを運営したことが無いのに、適切な人選ができるでしょうか。

採用基準はわかりますでしょうか。
恐らく履歴書にあるECサイト経験〇年や、売上〇円達成経験という数字を基に判断するかと思います。

しかし、過去にECサイトの成功経験があっても全く別の商品で成功するかはわかりません。

ECサイト運営はweb上で行いますが基本はアナログの実店舗運営と考え方は変わりません。
極例ですがラーメン屋で成功したからといって、ファミリーレストランで成功できるとは限らないのです。

また、「ものを販売する」「サービスを提供する」という本質を考えると、ECサイトの運営で最も大切な事は自社商品・サービスの理解です。
そのため高額の費用を投資した即戦力の採用も即戦力になりえない事が多いのです。

解決方法は自社での育成が最善

これらの理由から採用活動や現状の社員からすぐにEC運営を任せられる人材の確保はほぼ不可能であることがお分かり頂けるはずです。

EC運営担当の確保は社内や転職市場で適任者が見つからないため、EC担当者は必ず自社で育成する必要があります。

「ECの運営」と言っても、考慮すべきこと、やるべきことは多岐にわたり、自社商品のECの課題や修正点を明確に理解しておかなければ、最大のパフォーマンスを発揮することはできません。

『ECサイトの運営担当の採用が失敗続きで苦労している』『EC事業をしたいけど任せられる人がいない』
とお悩みのの経営者さま、事業決済者さまは一度ご相談ください。

自社の商品を理解したEC運営者を育成する方法を、私の経験をもとにお答えいたします。